ドミノ・ピザ ジャパンの売上の約50%をオンライン注文が占めており、スマートフォンは重要な販売チャネルとなっている。また、10代のユーザーの開拓も課題となっていた。そこで、若年層に人気の、音声合成システム「VOCALOID」を活用したバーチャルシンガー「初音ミク」とのコラボレーションを、クリプトン・フューチャー・メディアの協力を得て実施した。ピザ注文アプリ「Domino’s App」の「初音ミク」版「Domino’s App feat. 初音ミク」を開発・提供した。同アプリは、ピザの注文や配達状況の確認といった基本的な機能に加えて、「初音ミク」がデザインされたピザBOXにスマートフォンをかざすとAR機能により、「初音ミク」が登場するコンテンツも提供し、その「初音ミク」を写真を撮影できる機能も用意した。また、ピザBOXにARマーカーを埋め込み「初音ミク」のバーチャルライブを楽しめる機能も提供し、ピザの購入をエンタテインメント化した。
「初音ミク」は、ネット発のキャラクターであるため、コアなファン層が多く存在し、ファンによる楽曲や動画も多数存在している。そのため、コンテンツの質は非常に高いものが求められる中、クリプトン・フューチャー・メディアの協力により「Domino’s App feat. 初音ミク」はクリエーティブ面でも高いクオリティとなった。また、「初音ミク」のコンテンツはファンが制作し、それが共有されるというカルチャーがあるため、ドミノ・ピザは、ファンの“仲間”となることを目指し、ドミノ・ピザで働くクルーから、作詞・作曲、振り付け・イラストレーター・映像編集、ピザBOXのデザインなど、コンテンツ作りの担当者を募集し、クルーの手づくりによって、アプリ内で流す楽曲やPVを制作した。そのことも、ファンの間では高い評価につながった。
結果として、「Domino’s App feat. 初音ミク」のダウンロード数は8万を超え、App Storeランキング1位を記録し、キャンペーン開始から1ヶ月で、当初目標の5倍の5万件を超える注文を獲得。また、プロモーションムービーは1週間で60万回の再生回数を記録した。