ベストキャンペーンとベストブランディングの2賞に輝き、審査員全員一致でグランプリを獲得したのは、BMWの「MINI COUPÉハンティング大作戦」。
MINIから、ブラインドシェイパーとなるMINI COUPÉが発売されるのに伴い、MINIをよく知らない人たちも含め幅広いターゲット層に対して、MINIブランドの持つエキサイティングでエッヂなイメージを体感してもらおうと企画されたキャンペーンだ。
2011年12月3日。東京モーターショーのブースで、BMW Japanのローランド・クルーガー代表取締役の号令でそのゲームは始まった。
それから9日の間、東京23区全域を使った、壮大なチェイスだ。
参加者はまずスマートフォンで専用アプリをダウンロード。そのアプリで現在のMINI COUPÉの位置を把握し、近づく。うまく50m以内に近づけると、MINI COUPÉをハンティングできる。一度、ハンティングしたら、今度はハンターたちから逃げる。ハンターたちからは、今度はハンティングしたユーザーが追いかけられる。レーダーはスマホのアプリ。MINI COUPÉ、ユーザー、そしてハンターがGPS機能によってリアルタイムに表示される。 そして、9日後、ゲームオーバー時点でバーチャルのMINI COUPÉを持っていた参加者がWINNER。実際に、MINI COUPÉがプレゼントされるというものだ。
都内をひたすら走る! 車やバイクで走る! 追う! 逃げる!
シンプルにしてエキサイティングなリアルゲームだ。日々のゲーム状況などは、撮影クルーによって動画コンテンツとして製作され、YouTubeで配信された。
大の大人が街中で、スマートフォンを手掛かりに、本気でリアルな鬼ごっこを行う。参加者からは、「MINIが大人げない大人のためのクルマだということをリアルに体感できた1週間だった」と言った声も聞こえた。
シンプルで、一方通行でない多数参加型のゲームでブランドを訴求した。東京23区を使い、9日間、撮影クルーによるドキュメンタリー製作と、ライブ感をうまく演出し、大人が本気で遊べるキャンペーンとなった。スマートフォンのGPS機能をふんだんに使い、緊張感と躍動感もうまく導くことができたと思われる。何より、バーチャルな世界とリアルな鬼ごっこを組み合わせた発想が素晴らしい。