グランプリ


「パソコンの前で口を動かす」だけ。
フィジカルな体験を提供する“食べる”ウェブサイトを開発。

作品名
おくちの中の遊園地
広告主名
エバラ食品工業株式会社
商品/サービス名
浅漬けの素
広告会社
ビーコン コミュニケーションズ株式会社
制作会社
BIRDMAN inc. / amana inc. / Wolk inc. / Synario inc. / plaplax ltd.
STAFF
企画 + クリエイティブディレクター:川嵜鋼平
アートディレクター:大泉淳
コピーライター:中野友彦
アカウントプランナー:ソ ヨンボン
プロデューサー (Visual):佐藤勇太、吉井俊太郎
プロデューサー (Event):小西裕也
アートディレクター (Web):築地ROY、良、星川淳哉
テクニカルディレクター (Web):沖智則、有方伸晃
テクニカルディレクター (Event):筧康明
デザイナー (Web):阿部欣彦、田中梓、重本ガブリエル
Flash ディベロッパー (Web):玉山祐次、中島賢志郎、申政淳、塚本一真
デバイスエンジニア (Event):山岡潤一

概要

Mission

「浅漬けって、なんだか古くさい」、そう思っている若年層のママたちに、浅漬けの素を認知してもらい、新規顧客を獲得すること。

Execution

子どもたちが、“もっと野菜が好きになる”ことを狙い、“食べる”をキーワードにしたフィジカルな体験を、統合的に展開した。

Results

WEBで展開したゲームでは、約2,500,000 個のヴァーチャルな野菜が食べられた。また、イベントには6 日間で約91,000人が来場し、約15,000 個の浅漬けが食べられた。結果、売上にも貢献した。

「子どもが野菜を食べるきっかけ作り」
をコンセプトに、若年層のママ世代に訴求。

「浅漬けの素」はロングセラー商品であり、カテゴリーの中では定番の商品となっている。しかし、若年層においては、浅漬け自体にあまり馴染みの無い人も増えてきている。そこで、 エバラ食品は、新規顧客獲得とマーケットの拡大を目的に、若年層のママ世代における「浅漬けの素」の認知向上と、浅漬けの良さをわかってもらうことを課題として、キャンペーンを実施することとした。


ゲーム中に野菜を食べている表情を自動で撮影する仕組みで、子どもたちが野菜を食べている画像をSNSへ拡散した。


全国3都市で実施したイベントで、多くの子どもたちに“楽しく浅漬けを食べる体験”を提供した。


子どもが、“もっと野菜が好きになる”施策を

そこで、若年層のママたちの世界共通の悩みである、「子どもにもっと野菜を食べてもらいたい」という彼女たちの想いに着目し、“子どもが野菜を食べるきっかけ作り”をコンセプトとした「おくちの中の遊園地」を、統合キャンペーンとして企画した。

前代未聞の“食べる”ウェブサイトを提供

まず、WEBサイトでは“食べる”をキーワードに「パソコンの前で口を動かす」だけでゲームが操作できる、新しいインタラクションを開発。WEBカメラに向かって口をパクパクすることで、「擬似的に野菜を食べて遊ぶ」ゲームや、親子でそれを楽しむことができるゲーム、そして、子どもが自ら母親に浅漬けをおねだりすることで楽しめる、「本物の浅漬けを食べて遊ぶ」ゲームを提供した。ヴァーチャルな体験の中に“口を動かす”というリアルな体験を盛り込むことにより、子どもが“気付いたら野菜が好きになっている”ことを狙った。

「苦くてまずい」から「楽しくておもしろい」へ。骨伝導テクノロジーを応用した体験装置を提供

また、子どもたちが多く集まる夏休みの遊園地で、体験イベントを実施。このイベントの目玉となったのが、骨伝導テクノロジーを応用したヴァーチャルリアリティデバイスだ。これは、野菜の食感を“子どもが好きなものに変える”もので、例えば、デバイスの先に刺さった一口サイズの野菜(浅漬け)を食べると、まるで「口の中に花火があがった」ような体験ができる。その他にも、恐竜の鳴き声やレーシングカーなど、計9種類の体験を提供し、子どもにとっての野菜を「苦くてまずい」から「楽しくておもしろい」に変えることを狙った。そして、「浅漬けの素」が持つ、「野菜の苦みを取り除き、甘みや旨みを加える」というベネフィットを、実際に野菜を食べさせることで理解促進させた。
「浅漬けの素」の新しい購買層である若年層のママ世代に対して、直接アプローチするのではなく、その子どもたちに対して、「野菜がもっと好きになる」ことを狙った施策を展開した点が、非常にユニークかつ秀逸だったと言えるだろう。